3−1−2 断層の活動間隔

前縁断層系の断層面の傾斜は、青川下地点(L1面)のトレンチや青川上及び中地点での反射法弾性波探査の結果から、20゜、25゜、30゜及び45゜であり、また、断層の単位変位量は青川下地点では実測できなかったが、宇賀川トレンチでの断層の見かけ単位変位量(1回の活動による剪断面変位量)1.2mが得られており、その値をを利用した。

各断層面角度ごとの鉛直方向の単位変位量は次のようである。

@ 20゜の場合:青川下地点でのトレンチの実測

h(鉛直方向の単位変位量)=1.2×sin20゜ h=0.41m

A 25゜の場合:極浅層反射法での想定断層面の角度

h=1.2×sin25゜ h=0.51m

B 30゜の場合:大深度反射法での表層に近い箇所の想定断層面の角度

h=1.2×sin30゜ h=0.6m

C 45゜の場合:大深度反射法での深部での想定断層面の角度

h=1.2×sin45゜ h=0.85m

大安町付近の低位面(L1面に区分)での地形測量の結果から、変位地形の鉛直方向変位量は、Genta−K2、Daimonの値を採用して約3mであった。

単純に一定間隔で断層が繰り返し活動していると仮定すると、それぞれの現在までの断層運動の回数は、上述の鉛直変位量の値から、次のように推定される。

 @ 7.32(7)回

 A 5.88(6)回

 B 5.00(5)回

 C 3.53(4)回

低位面構成層の年代は、前述のように約2万年〜約3万年前と想定したためぞれぞれの場合の活動間隔は、次のように推定される。

 @ 20゜の断層面の場合:約2,800〜約4,300年(約3,600年)

 A 25゜の断層面の場合:約3,300〜約5,000年(約4,000年)

 B 30゜の断層面の場合:約4,000〜約6,000年(約5,000年)

 C 45゜の断層面の場合:約5,000〜約7,500年(約6,000年)

 断層活動間隔は、平均して約4,000年〜約6,000年である。