3−1−1 地形面年代の検討

各地域の地形面分類の結果は、U章2節の空中写真判読の項の図面集(1/10,000)及び付図の地形分類図(1/25,000)に示した。今回のトレンチ結果で地形面の形成年代が概ね判明している箇所もあるが、地形面のすべてで年代値は確定していないため、既存文献(太田・寒川,1984)を利用して地形面年代を推定した。今回の判読による地形面区分の結果は、太田・寒川(1984)に対比でき、地形面の形成年代もL2面を除いて太田・寒川(1984)に準じた(表2−2−2−2参照)。

低位面(L1面)構成層の年代については、トレンチ調査の結果から低位面(L面)の放射性炭素年代測定による年代値が表3−1−1−1のように求められた。採取位置はトレンチ場所のスケッチ図に記載した。

この結果から、ここでのL1面の形成年代は、約15000yBP〜約20000yBPと想定できるが、この年代試料を採取した地点のL1面は、L2面に近似した比高を呈しており、それらを考慮すると全域でのL1面の年代は、従来の約2〜約3万年前を採用するのがより現状に合致すると考えられる。