2−1−3 遺跡文献及び古文書調査結果

(1) 遺跡文献調査

遺跡発掘関係・埋蔵文化財関係資料の収集調査は、調査地周辺における活断層や断層活動の痕跡(液状化等)が確認された事例、トレンチ掘削候補地点における埋蔵文化財の有無などを収集・確認することを目的として行った。調査は、三重県の埋蔵物文化財センター及び各市町の教育委員会を中心に実施し、収集した資料等は別冊として遺跡報告書や遺跡リストをファイルで収めた。なお収集した資料の分析結果では、資料の中に活断層や断層活動の痕跡を確認したものはなく、また段丘面の時代を決定するような記載の資料は認められなかった。

(2) 古文書の収集・分析結果

調査地周辺における地震活動については、既存の文献等で調査がなされているが、さらに新たな知見を得ることを目的として、古文書関係の資料収集及び調査を行った。調査は、調査地内の歴史の古い寺社や寺を中心に聞き取り・資料収集を行った。調査の結果を表2−1−3−1に示す。

表2−1−3−1に示すように、今回の調査では調査地域内おける地震の記録は1件のみである。この聞き取りでは「1854年に発生の地震により倒壊した」(四日市市常願寺)ということから伊賀上野地震の影響と考えられる。いくつかの古い寺社については古文書自体が焼失したことが分かっており、古い地震についての記録はない。