(2)トレンチ掘削工および復旧工

(1)掘削内容

・掘削長 l=50.00m

・掘削幅 l= 6.00m

・勾 配 1:0.5

(2)掘削手順

1)掘削準備工

下図のように仮設計画をたて実施した.

2)表土掘削

雨竜地区は0.2m,浦臼地区は0.3mの表土を掘削し,他の掘削土と混ざり合わない様に別の場所にビニールシートをかけて保管した.

3)1回目掘削

N面,S面側に重機を移動させながらトレンチ中央部を0.7m3のバケットを使用し,約2.0m深度まで掘削を行った.

4)2回目掘削

N面,S面側に0.7m3のバケットを使用し,約2.8mの深度まで掘削を行った.その後,0.7m3の法切バケットに取り変えて法面仕上げ及び床部を3.0mまで掘削しながら床付けを行った.重機で仕上げ不可能な部分及び法面の最終的な整形作業については手作業で行った.また,掘削土については,埋め戻し土として使用するため,ビニールシートをかけて保管した.

5)法面保護設置

法面を雨や雪等から保護する目的で設置した.まずN面,S面の掘削線の後方にφ48.6mmの足場用パイプを組み合わせて固定台を設置した.次に3.60m×5.40mのビニールシートの両端部を長さ4.0m,φ48.6mmの足場用パイプに固定し,これを法面にかけパイプを地上に設置した固定台に固定した.この作業は法面全体を覆うように行った.トレンチ内への侵入水については,水中ポンプにより排水を行った.

6)グリットの設置

はじめに,トレンチ壁面の法肩に西側(山側)を起点(0m)として,1m間隔に測点杭を打設した.杭には基準点からの水平距離(m)と壁面の南北面の区分を記入し,N10(北西の測点10m),S35(南面の測点35m)のように表示した.

次に,トレンチ法面の上端部に杭と板を使用して柵を作り,基準となる水平線をレベルを用いてこの柵の板上に設定した.基準水平線において,距離1m毎に釘及び杭を打ち,この釘に結んだ水糸を基準水平線と直交するように法面に沿って下ろし,法面基部にも1m毎の釘及び杭を打って,この水糸を結んだ.また,この法面に張った水糸に直交するように1m毎に横糸を張った.なお,水糸は全体に黄緑色を使用し,垂直方向の5m毎の糸はピンクを使用した.

7)埋め戻し

トレンチ内の雪を排雪し,掘削土を埋め戻した.埋め戻しは,0.5m毎に重機のバケットを利用し転圧して突き固めを行った.ただし,浦臼地区については耕作地なので,特に地盤沈下及び逸水を防止する目的で,3層に分けて土木シートを布設しながら埋め戻しを行った.最後に表土を戻して整地を行い,調査前の状況に復旧した.

8)使用機材

主要な使用機器,材料は表2−0−1のとおりである.