3−3−3 構造

コア中の砂層やシルト層中の葉理面(ラミナ)あるいは層理面の傾斜角を測定し,柱状図に記載している.さらに,図1−14でその状況をまとめた.

No.1ボーリングの中〜下位で測定が可能であった.そこでは,ほぼ5~10度程度の傾斜が認められる.15~20度を示す部分は極僅かである.No.2では標高−70~−80m付近しか,測定結果出来なかったが,ここでは,20−30度とやや高角度を示す部分はあった.No.3では,中?下位の砂質〜シルト質部分で測定が出来た.殆どが10度程度以下であり,20度を超す部分は測定数の中で低率である.10度程度の傾斜は初生的な堆積構造と思われるが,30度程度のものは,宇治川断層との関係が疑われる.

シルト中にはせん断面が残されおり,乾燥すると顕在化する.No.1の標高−98〜102m付近には70~80度傾斜,No.2では標高−57m付近に50~60度傾斜m,No.3では標高−100m付近に10度傾斜のせん断面と170m付近の60~70度のせん断面を観察している.高角度のせん断面は,宇治川断層の変形(塑性変形)限界を越える応力での小規模な破断と見なせる.

図3−3−2−1 宇治川断層周辺地質断面図