(1)調査目的

京都市(1999)平成10年の堀川〜油小路〜巨椋池測線で初めて確認された宇治川断層は1箇所の点データである(7).この1箇所は,重力による推定基盤深度分布図(図1−22)で示される基盤岩上面急斜部付近に位置し,急斜部分布が断層を示唆するものと思われる.急斜部を参考にすると,断層は旧巨椋池北縁付近にほぼ一致するものと解釈された.その西方延長の天王山(標高270m)山麓には,東北東方向に延びる高槻−天王山断層(岡田他,2000)(15),あるいは天王山断層(植村,1990;岡田他,1996)と呼ばれる活断層が,報告されている.また,その北東方の大山崎町下植野町から伏見区横大路付近までの盆地地下を東北東方向に伏在する横大路断層(植村,中塚,1992)の存在が,推定されている.

両断層と宇治川断層との連続性や関係を調べるため,桂川左岸の河川敷でP波反射法探査測線を設定し,探査をおこなった.