(a)文献調査
宇治川断層周辺の地質文献やボーリングデータ解析で,宇治川断層の分布や活動性を検討した.
(b)P波反射法探査
断層の東西両端の延長や連続性を明らかにするため,桂川,宇治川,木津川合流付近の八幡測線,東方の桃山付近の桃山南測線,さらに北東方の小栗栖?石田測線でP波反射法探査をおこなった(図1−7).
(c)S波反射法探査
P波反射法探査堀川?巨椋池測線に近い,宇治川大橋東側の中州でS波反射法探査を行って,断層浅部での撓曲構造を把握し,ボーリング位置を決定した(図1−7,図1−8).
(d)ボーリング調査
撓曲の上盤側,撓曲帯中,下盤側でボーリング掘削をおこない,撓曲を構成する地質をコアの肉眼観察から調べた(図1−8).
(e)コア試料分析
コア試料を用い,炭素年代測定,火山灰,花粉,珪藻分析をおこない,地層の堆積(形成)年代や古環境の資料を得て,地層対比をおこなった.
(f)総合解析
P波探査の解析で断層の分布を検討した.S波探査結果と地質解析により得られた断層による地層の変位量と地層の堆積年代値から,宇治川断層の最新活動時期,地震1回当たりのずれ量(単位変位量),地震の平均活動間隔,平均的なずれ速度(平均変位速度)や活動履歴を検討した.