深草地域を境界として,北側と南側では断層の様子が異なります。
北側では,東山山地の両側に明瞭な断層(稲荷山断層と勧修寺断層)が存在する。
一方,南側では桃山丘陵の東側に小栗栖断層が存在するのに対し,西側では明瞭な断層が認められず,大阪層群が基盤の丹波層群を不整合に覆って緩く西側に傾斜している。
すなわち,東西圧縮に対し,深草地域より北側では,東山山地の両側が断層で切れて活動しているのに対し,深草地より南側では桃山丘陵の東側が断層(小栗栖断層)で切れ桃山丘陵が上昇しているが,西側はそれについて緩く傾き,段丘面がわずか撓んでいる程度である。
この様に桃山断層は深草地域を境目とし,北側と南側では活動の様式が異なると考えられる。
図6−10 京都盆地東縁から山科盆地の地下地質構造模式図(その1)
図6−11 京都盆地東縁から山科盆地の地下地質構造模式図(その2)