6−2−2 大阪層群の構造
反射断面中の多数の反射波は大阪層群の特徴的なものである。大阪層群は基盤上面の構造と類似した傾向で分布している。測線下では測点150m付近及び測点−400m付近が最も深く,大阪層群基底部の標高は−140mに達する。この部分の大阪層群の層厚は約150m程度と見積もられ,これは深草団体研究グループ(1962)の調査結果から見積もられた層厚130mと大きく違わない。測点100m付近から大阪層群内の反射波は徐々に東に浅い方向で,10〜20°の傾斜を示す。なお,今回の群列ボーリングの結果からも同様の傾斜が確認されている。測点200m付近から東側では,桃山断層のリニアメントが通過する部分を含めて,さらに東側に向かって反射波の連続性が乱されており,断層活動に伴う地層の変形構造が推定できる。測点300mから東側では反射波の断列が激しく,反射波を連続して追跡できないが,断片的な波形から推測すると,大阪層群の傾斜は東側でさらに大きくなるようである。一方,測点200m付近から西側は安定して連続する多数の反射波が認められ,この範囲では断層による反射波の乱れは認められない。この範囲の大阪層群は西に緩く傾斜した形状を示し,−300m地点からは基盤構造の変化と調和して,やや深くなる傾向が認められる。−255m〜−295m区間で琵琶湖疎水及び師団街道を横断している影響で,浅部の反射構造が得られていない。なお,大阪層群上部の洪積層,沖積層内の反射面及び大阪層群上面の形状は確認できなかった。