丹波帯中・古生層と大阪層群の関係は不整合である。大阪層群は南北から北東−南西方向の走向を示し,傾斜は10〜20°程度である。
既存ボーリング結果から,地質断面図を作成し,地表踏査では分からない地質構造について考察を行った。既存ボーリングは主にJR奈良線の西側に集中し,東側の大阪層群及び段丘堆積物が広く分布する地域の資料は少ない。今回はボーリングデータの粘土・シルト層のN値を基準にし,地層対比を行った。
5断面を作成し,各地層の傾斜を求めた(図6−3、図6−4、図6−5、図6−6、図6−7)。各地層のN値から基盤である大阪層群とその上部に堆積した沖積層を区別し,それぞれの傾斜角度を推定した。
大阪層群の構造は南ほど緩くなり,さらに西側ほど緩くなる傾向が現れた。また,大阪層群上部の堆積物については1〜5°程度の緩い傾斜が推定された。
また,伏見地区に見られる撓曲崖下の地層については今回の調査では大きな地層の食い違いは認められなかった。
上記の予備調査結果と,本調査で行った物理探査(P波反射法探査),ボーリング調査の結果を総合して,桃山断層のストリップマップ(縮尺1/10,000)を作成した。
ストリップマップには,明瞭な断層変位地形箇所,断層露頭箇所,撓曲等の重要露頭箇所を図示し,簡潔な説明を添えた。
図6−2 断面作成位置図
図6−3 想定地質断面図(A断面)
図6−4 想定地質断面図(B断面)
図6−5 想定地質断面図(C断面)
図6−6 想定地質断面図(D断面)
図6−7想定地質断面図(E断面)