検鏡は、油浸600倍または1000倍で行い、メカニカルステージを用い任意に出現する珪藻化石が200個体を目安に同定・計数する。なお、珪藻穀が半分以上破損したものについては同定・計数は行っていない。珪藻の同定と種の生態性については、Hustedt(1930−1966)、Krammer&Lange−Bertalot(1986−1991)、Desikachiary(1987)などを参考にする。
同定の結果は、塩分濃度に対する適応性により、海水生、海水〜汽水生、汽水生、淡水生に生態分類し、さらにその中の淡水生種は、塩分、pH、水の流動性の3適応性についても生態分類し表に示す。また、珪藻は、一般には水域(水中)に生育するが、一部に好気的環境(直接大気に曝された環境)に生育種群が認められ、これらを陸生珪藻と呼んで区別している。本分折では、水生珪藻と陸生珪藻の区分を伊藤・堀内(1991)に従い、A群、B群およびその他の3つに区分している。
珪藻の各生態性(塩分・pH・流水)に対する適応性の詳細については、まとめて表5−3に示す。
表5−3 珪藻の各生態性(塩分・pH・流水)に対する適応性