(14)深度変換

データ処理基準面からの往復走時で表示されている反射断面図を地表からの深度に変換する処理。この処理では地層の弾性波速度を求めることが必要である。昨年度の山科盆地での調査では,PS検層などの既存資料と重合速度から計算した区間速度を比較検討した。その結果,既存の速度値はデータ処理区間速度値と調和的であったことから,今回も重合速度による区間速度を用いた。ただし,重合速度は反射面の傾斜及びオフセット距離に影響されるので,比較的反射面が水平な部分での速度解析点のデータを用いた。また,速度解析点は必ずしも同一地層面ではないので,代表値を適用して,同一層内及び同一層に相当する深度の地層に対して重合速度を適用することで,深度変換に伴なって起こりうる地層の見かけ変位を防いだ。なお,大阪層群内のP波速度は1560〜2200m/sを適用した。丹波帯中・古生層内では明瞭な反射面が無く,重合速度の2500m/sを適用した。