4−2−2 測線状況
反射法探査測線は京阪本線によって東側約800mと西側約300mに分割されている。測線上の標高は西端が26.4m,東端が83.6mで標高差は57.2mであった。東側測線は京阪電鉄鳥羽街道駅の北150m,本町通りと東福寺南側の道路が交差する地点を始点として東方向に延長する。測線全体は東側に向けて標高を増すが,特に始点から200m〜500m区間は斜度4〜5°で他の区間よりも大きい(0〜200m区間,500〜780m区間,平均斜度2.8°)。都市圏活断層図・京都東南部(国土地理院)によれば,始点から150m付近には西落ちの断層線が,350m付近には西落ちの撓曲崖及び断層線が,そして650m付近には推定断層線がそれぞれ記載されている。探査測線はすべて舗装道路で,測線の周辺は寺院と住宅地からなり,朝夕を除いて交通車両は少なく,測定条件は比較的良好であった。西側測線は鳥羽街道駅のすぐ西側から始まり,西方向に延長する。測線は緩やかに西に向かって低くなるが,道路が鴨川に沿って南下する部分までの区間の平均斜度は0.9°と,東側に比べてきわめて小さい。都市圏活断層図によれば,始点から−250m付近には西落ちの撓曲崖が記載されている。探査測線はすべて舗装道路であったが,途中−255m〜−295m区間で琵琶湖疎水及び師団街道を横断しており,この区間は測定範囲からは除いた。西側測線は小規模な工場と住宅が混在しており,東側に比べて鉄道ノイズと自動車の通行ノイズが多く,測定条件はあまり良好とは言えない。なお,東西両測線は東側測線の始点を共用しており,測線の距離程はここを基準にしている。