簡易測量は,ハンドレベル,箱尺および巻尺を用いて行うが,±数10cm程度の精度は十分に保証される。
断面図作成位置を図3−4に,断面図を図3−5−1、図3−5−2、図3−5−3に示す。
これらの中で,扇状地面の変位をあらわしている地点は3,4および12番と考えられる。同様に低位段丘面(下位段丘面)の変位をあらわしている地点は2,6及び10番と考えられる。他の地点は,明確に地形面が決まらないところや,異なった地形面の境界に位置している場合が多い。
断面図から想定した,地形面の落差と地形面区分の関係を表3−2にまとめた。これによると,扇状地面で2〜4m程度,低位段丘面で4〜7m程度の落差が認められる。また,異なった地形面の境界に認められる落差のうち,丘陵,高位段丘面が係わるものについての落差は低位段丘面の7mよりも大きい。
すあわち,時代の新しい地形面から古い地形面となるに従って,落差が大きくなり,地形面上に変位の累積が認められる。
これらの地形面のうち時代が想定される低位段丘面について約2万年前とし,変位速度を計算すると,4〜7m/20千年で0.2〜0.35m/千年となる。
図3−4 地形断面図作成位置(1:25,000)
図3−5−1 簡易測量で作成した地形断面図(1)
図3−5−2 簡易測量で作成した地形断面図(2)
図3−5−3 簡易測量で作成した地形断面図(3)