(2)大阪層群内の堆積構造

大阪層群内の反射面群は測点1500m付近を例にした場合、標高TP−120m以浅とTP−180m以深には反射面群が東西に連続し、この間ではあまり顕著な反射面は確認できない。この3層の境界は、後述のL2測線にも認められた。

(a)大阪層群で得られる明瞭で連続性のよい反射面は、大阪平野などで行われた探査結果をみると、海成粘土層と砂層とがリズミカルに互層する大阪層群上部層で顕著であり、山科盆地でもその傾向は変わらないと推定した。

(b)海成粘土層の中ではMa3が、特に広域にわたり連続性のよいといわれている。

(c)測点160mで行われた既存ボーリングデータ(京都市都市計画局,1992)によると、標高TP+24m付近にピンク色の火山灰、TP+16.35〜−12.65m(見かけの層厚約29m)の半固結状青灰色粘土を確認していることから、ピンク色の火山灰をサクラ火山灰、青灰色粘土をMa6と仮定すると、測点160m付近ではTP−80mの明瞭な反射面がMa3に対比される。

(d)上記の(c)に述べたMa3相当の反射面は、東へ追跡すると、測点1500m付近の標高TP−120mに連続する。

上記を総合すると、標高TP−120m以浅は大阪層群上部、それ以深は砂・礫層主体の大阪層群下部に対比できると解釈した。

大阪層群上部と解釈した部分では、明瞭で連続性の良い反射面が7枚あり、層厚は100m程度である。これらの反射面と地層の対比については、この深部まで掘削された既存ボーリング資料がないので、今後のボーリング調査によって確認することが必要である。