@ 山科盆地内に分布する大阪層群内に明瞭な多数の反射面を確認できたことで、同層の堆積状況及び変形の様子を推定できた。さらに、反射波の特徴と連続性解析から山科盆地の基盤構造を推定することができた。
A 平野部分と山地部分の境界付近に逆断層系が予想され、この活動に伴って大阪層群が堆積する以前から徐々に盆地構造が形成されて、引き続いて大阪層群が堆積したと 推定できた。
B 盆地構造を形成した動きは、大阪層群堆積中あるいは堆積後にも連続していて、その結果、断層が生じ、褶曲が形成されたと推定できた。
C 堆積盆地と基盤とを境する断層のうち、黄檗断層は確認できなかったが、勧修寺断層は都市圏活断層図に記されている断層の位置付近で反射面の不連続が認められた。
D 調査範囲内で、山科盆地の基盤最深部は標高−330m程度であることが推察できた。