大阪層群内の海成粘土層は層序対比に使用されるなど、広域にわたって安定して分布していることから、調査範囲内ではほぼ堆積環境は類似していると仮定できる。今回L1測線とL2測線は直線距離にしてほぼ1.2kmであることから、この仮定を適用して図4−23に示す反射面対比を行った。図の左はL1測線の測点1350m〜1550m部分を抽出したマイグレーション断面で、右はL2測線の測点−50m〜−350m部分である。これを見ると、大阪層群内の海成粘土層と解釈した反射面と下部の明瞭な反射面は、それぞれ両測線で反射の振幅、波の間隔、波の強さ等がよく対比できる。両測線で大阪層群下部反射面はほぼ水平に対比できたが、上部反射面はL1測線の方が若干浅い。これは下部反射面が堆積した後、上部反射面に相当する層が堆積する前に、両測線で堆積環境に違いが生じたこと等に起因すると考えられる。