(1)L1測線

図4−2参照)

L1測線の西端は山科区西野山、大石神社交差点から西に200mの地点で、新十条通りが北に転進するところである。一方東端は山科区椥辻、新十条通りと外環状線が交差する山科区役所前交差点手前で、全長は1,600mである。

測線西端から約50m西側は阪神高速道路公団の新十条トンネル工事現場になっており、さらに150m程西側で中・古生層から成る山地に至る。「都市圏活断層図 京都東南部(国土地理院,1996)」(以下、都市圏活断層図と略記)によれば、大石神社交差点付近には東落ちの勧修寺断層がN20°〜30°Wの走向で交差していると推定されている。さらに同図には折上稲荷神社付近と坂上田村麻呂墓付近で活褶曲(背斜)が記載されている。地表は低位段丘面と沖積層に覆われている。

測線西端は西側山地の延長にあたり地形がやや高く、中央部は緩やかに隆起している。ここを挟んで西側に旧安祥寺川が、東側に山科川が測線にほぼ直交して流れている。測線最高部の標高が43.5mで最低部が32.7mであり、測線全体の起伏は緩やかであった。

新十条通りは上下4車線の舗装道路で、両側は住宅、商店、倉庫が混在する市街地である。車道両側には幅2〜5m程度の歩道が敷設されている。反射探査測線は道路北側に設定することとし、受振器は歩道に設置し、車道で起振することとした。交通量は朝夕を除けば比較的少なく、また大石神社交差点付近を除けば、起振装置による車両渋滞は回避できると判断した。車両通行に伴なう振動ノイズが反射記録に影響を与えることが懸念されたので、重合数増加でこれに対処することにした。

本測線の西側で、測線から約100m北側の西野山地区では反射法探査終了後、トレンチ調査とボーリング調査が実施されている。