2−2 調査項目

(a) 文献資料収集・整理

調査地域について、地形・地質・断層等に関する文献や遺跡発掘調査の記録を収集し、整理・分析を行い、京都山科盆地断層群の位置・活動性及び地形地質状況の概略を把握し、それらの成果をまとめた。

(b) 空中写真判読

調査地域について空中写真による判読を行い、沖積面・段丘面の細分と対比、断層変位地形、地すべり・崩壊地形等の抽出・分類を行い、地形分類図および空中写真判読図を作成した。

(c) 地表踏査

地表踏査では、断層露頭・変位地形の有無や性状等について観察し、断層を追跡しながら調査を行った。断層露頭については詳細なスケッチを行った。

(d) 物理探査(P波反射法探査)

京都山科盆地断層群について、推定される断層線をまたぐ測線で反射法探査を行い、地下構造を明らかにし、変位の有無と量と変形構造を把握した。

(e) トレンチ調査

京都山科盆地断層群の活動履歴に関するデ−タを得るために、断層通過推定地点にてトレンチ掘削調査を行った。トレンチ法面を詳細に観察し、スケッチを行うとともに、年代測定等の試料を採取し、総合的な分析を行った。

(f) ボーリング調査

地下の地質状況と断層の累積変位量を把握するために、推定される断層線を挟んでボーリング調査を行い、ボーリングコアから年代測定等の試料を採取し、総合的な分析を行った。

当初ボーリング調査はトレンチ調査前に実施する予定であったが、トレンチ調査地点が限られていたことから、トレンチ調査の事前ボーリングではなく、トレンチ調査の補足的調査を目的としてボーリング調査を行った。

(g) ピット調査

仕様にはなかったが、最終段階でボーリング調査、トレンチ調査を補う目的でピット掘り調査を行った。

(h) 総合解析

本調査で得られた資料を総合的に解析し、断層の性状や活動履歴について考察を行い、評価した。なお、総合解析作業は、下記の活断層調査委員会による指導の基に推進し、とりまとめを行った。