(2)L2測線(醍醐北)

反射面の傾向は、L1測線の東部とL2測線の西部で非常に類似している。つまり、明瞭で連続性の良い反射面の分布とその途切れる様子から、基盤岩上面が推定され、大阪層群は反射面群の分布から3層に区分された。2つの測線の断面をつなぎ合わせると、基盤岩上面、大阪層群内の反射面が、標高的にも非常に調和的に連続する。

・基盤岩上面

明瞭で連続性の良い反射面の下限を基盤岩上面と推定した。西側起点から測点450m付近まで、基盤岩上面は標高TP−320mにほぼ直線的な分布をする。測点450mより東側では反射面は不明瞭となる。

測線の終点から約50m東側には、地形地質的に見て、第四系からなる扇状地と基盤岩からなる山地との境界に黄檗断層のリニアメントが通る。測点450mから同リニアメントの水平距離は約300mで、標高TP+50〜60m付近であるから、基盤岩上面が水平距離約300mの間に350m以上(勾配にして約50゚)も急上昇することになり、黄檗断層の東側上がりの規模が極めて大きいことが分かった。

・大阪層群内の堆積構造

大阪層群は、西側起点から測点250m付近までほぼ水平に連続し、ここから測点570m間で極めて緩やかに浅くなっている。この浅くなる傾向は深部ほど大きいことから、大阪層群は下位ほど黄檗断層運動に伴う変形を累積的に受けていることが推定できる。

・断層・変形構造

測点500m〜600m付近より右側の反射面が途切れる様子から、東傾斜の大きな境界面が推定できる。この境界面が断層とすれば、東傾斜の逆断層系の存在が考えられる。

これは、小野断層の2本のリニアメントの内、東側のリニアメントの南延長上に当たり、やや不明瞭ではあるが、低角度の逆断層(衝上断層)が推定される。

一方、西側のリニアメントに相当する逆断層は認められなかった。