GT−1は第1トレンチ最下部のA−1層からの植物遺体の年代である。GT−5は第2トレンチ上部C−2層から採取した有機質土からの年代であり,GT−6はGT−5より下部のB−1層中に見られる有機質土中の炭片の年代値である。
GT−1は約400年B.P.という大変若い年代を示したのに対し,第2トレンチからの試料は12,000年B.P.程度という比較的古い年代を示した。このことは第1トレンチと第2トレンチで見られた,堆積物の違いと一致している。
第1トレンチで見られた堆積物が大変若い堆積物であるということから,短期間に数mもの堆積が進む環境を考えなければならない。さらに,堆積物が土石流的でなく穏やかな環境で溜まった地層を示していることから,第1トレンチ周辺は,北側を流れる小河川(荒木川)の氾濫源もしくは後背湿地的環境であったと推定される。