(2)地質構造解釈

1)CDP No.420付近から西側について

連続性の良い反射面のうち最深部のものに注目すると,測線西端部では標高+70mであり,東に向かうにしたがって徐々に深くなり,CDP No.420付近では標高0mとなる。

植村(1990)は京都盆地西縁部における深井戸地質柱状図を収集し,基盤深度分布を作成しており,灰方では標高+3mで基盤にあたっている。したがって,ここで注目した反射面は中古生層上面にあたり,それを大阪層群が覆うと考えられる。

CDP No.100付近,CDP No.150〜160付近およびCDP No.340付近にみられる反射面のたわみやずれは,その形状から相対的に東落ちの断層の可能性がある。西山団体研究グル−プ(1967)によると,測線西側部の山地と丘陵の境界付近には,大阪層群が北西−南東の走向で東に急傾斜して分布(幅100m程度)するが,CDP No.160付近の反射面のたわみが,これを反映している可能性がある。

2)CDP No.420付近から東側について

測線東端部のCDP No.450付近から東側における反射パタ−ンは松尾,樫原測線と良く似ており,これより西側にくらべて大阪層群が厚く,ほぼ水平に分布すると考えられる。

CDP No.420〜450付近は中古生層上面に対比した反射面が途絶え,散乱波によるノイズ波が発生している。また,この範囲の両側における中古生層上面の深度をみると,東側が50m程度低い。これらのことから,ここに相対的に東落ちの断層が推定される。