(2)御陵地区

御陵地区ではトレンチ2基(第1トレンチ,第2トレンチ)の掘削を行った。調査範囲及びトレンチ規模は下記のとおりである(図5−7)。

1)御陵三宮神社北側駐車場(第1トレンチ)でのトレンチ規模は開口部寸法で幅2〜3m,長さ11m,深さ1〜4mである。両端で深く掘り下げたため,開口部でコの字型の形になった。

2)御陵三宮神社東側工事現場内駐車場(第2トレンチ)でのトレンチはテストピットのような大きさであり,開口部寸法で4m四方,深さ3.5m程度である。

第1,2トレンチにおいては活断層及び活構造は確認されなかった。

第1トレンチの最下部層が約400年前以降という新しい堆積物であった(図5−8)。

第2トレンチの中部層(B層)は,炭素年代測定から約12,000年前に堆積したと推定される(図5−9)。

最下部のA層に緩い北上がりの傾斜が見られ,その上位のB層には傾斜が見られず,水平な構造が観察されることからA層とB層との間にイベントが推定される。ただし,A層中の構造は断層の走向と同じ方向であるため堆積構造による可能性は否定できない。