(4)西山断層
リニアメントは,京都市西京区大枝沓掛町から南方の大原野南春日町勝持寺(花の寺)にかけては,山地と扇状地および崖錐との境界付近の傾斜変換点に不明瞭ながら認められる。この扇状地は高位段丘より新しく,低位段丘より古い地形であり,リニアメント沿いに変位地形を示さないことから,中・古生層,大阪層群は切っているが,低位段丘より古いと考えられる扇状地層は切られていないことを示す。大原野以南(大原野石作町長峯寺西,大原野小塩町善峰寺東,長岡京市西端の柳谷の北方)にかけて山地と丘陵の境界部に鞍部を伴う比較的明瞭なリニアメントが認められる。このリニアメントは中・古生層と大阪層群との境界に相当する。今回の地表踏査で新たに,中・古生層と大阪層群の境に逆断層露頭が確認されたが,大阪層群より新しい第四系との関係については確認されず,最新活動時期の特定は困難である。