(3)光明寺断層

光明寺断層は,京都市西京区沓掛町の芸術大学付近から大原野南春日町を経て,長岡京市友岡付近までいたるリニアメントとして認められる。大原野南春日町から長岡京市長法寺の間では,ほぼ平行した2本のリニアメントに分かれている。

同断層は,芸術大学付近から洛西ニュータウン西部を経て大原野南春日町にいたる間では南北方向に湾曲,断続する不明瞭なリニアメントとして認められるが,活断層や撓曲の露頭は確認できなかった。

大原野南春日町から大原野灰方町では段丘面上や扇状地面上に,ほぼ南北方向に平行した2本の不明瞭なリニアメントとして認められるが,2本のリニアメント上に活断層や撓曲の露頭は確認できなかった。

大原野灰方町から長岡京市長法寺の間では,西側のリニアメントは大阪層群の丘陵地内や山地と丘陵地の境界をほぼ北西−南東方向に通り,丘陵頂の高度変化(東下がり)や約50〜170mの河谷の左ずれ屈曲などが認められ,比較的明瞭である。地質的にも,中・古生層と大阪層群とが接する断層,大阪層群中の断層や急傾斜帯が存在することから,当該リニアメント沿いの断層の存在は確実である。

一方,東側のリニアメントは大阪層群の丘陵地の前面(東端)で丘陵地と低位段丘あるいは扇状地との境界を北西−南東〜南北方向に通る。さらに南側は長法寺から長岡天神を経て,低位段丘面上を友岡付近まで北西−南東方向に延びる。低位段丘面上では東下がりの低崖が認められる。