3−2−4 フィッショントラック年代測定

図6−1図6−2および写真5に示した第1露頭の上部に検出されたゴマシオ状火山灰に含まれるジルコン結晶を用いて,フィッショントラック年代測定による絶対年代の測定を試みた。

得られた結果は以下のとおりである。

FT年代 0.99±0.13 Ma

分析結果は,前期更新世末期を指示する年代値である。また,上述の火山灰分析で示されたように,本分析試料が上桂火山灰に対比される可能性があること積極的に指示する結果となっている。また,この火山灰の下位に約1Maの降灰とされるピンク火山灰が確認されていることとも矛盾のない結果となる。

以上より,第1露頭に分布する大阪層群はほぼ連続した層位関係であることと,その形成年代は1Maであり,大阪層群海成粘土のMa2相当層準に対比されることがほぼ確実と判断される。