京都府では、このような地質学的な重要な場所を下記の要領でピックアップし、「京都府レッドデータブック」としてとりまとめている。本調査地域からも、先の日吉町旧世木林地区が「殿田断層崖」として、また瑞穂町下村地区周辺が「三峠断層崖」として選定されている。
京都レッドデータの選定基準
1)京都府の自然を代表する典型的かつ貴重な地形
2)(1)に準じ、教育上・地形研究上注目すべき地形
3)多数存在するが典型的な形態を示し、保存が望ましい地形
4)動植物の生息生育地として重要な地形
5)地域において生活と密着した存在であったり、ランドマークとして親しまれている地形
「三峠断層崖」は、学術上高い価値を有する地形のうち、現時点で軽度の破壊を受けており、 今後も破壊が続けば消滅が危惧される地形として要注意カテゴリーに分類している。このようなレッドデータブックに登録されている場所は勿論のこと、断層運動を推定するために重要な地形・地質情報(変動地形や断層露頭)が失われることの無いよう、強く切望する次第である。