5−2−2 殿田断層(京都西山断層帯)

殿田断層が含まれる京都西山断層帯における長期評価は、殿田断層をはじめ、神吉断層、越畑断層、亀岡断層、樫原断層、西山断層、灰方断層、円明寺断層など、京都府の瑞穂町付近から大阪府の島本町付近まで、計42kmを一つの断層帯として仮定し行っている(図5−1)。このうち殿田断層に関しては、本調査によって京都府日吉町付近を境に東西で違うセグメントを形成している可能性があることが明らかになった。これを考慮した場合、京都西山断層帯は少なくとも2つのセグメントに分割できるため、京都西山断層帯の活動は、約42kmの区間全体が一度に活動する場合のほかに、殿田断層の中西部は南側と同時に活動しない場合が考えられる。仮に、京都西山断層帯の活動時に殿田断層の中西部が連動しなかった場合、マグニチュードは7.5から7.2となり、断層運動に伴うずれの量も、3−4mから2.2mとなる。また可能性は小さいが、殿田断層の中西部のみが活動した場合は、マグニチュードは6.7、断層運動に伴うずれの量は、1.1mとなる(表5−3)。

 

表5−3 本調査結果と地震調査研究推進本部による長期評価との比較(京都西山断層帯)

図5−1 本調査結果と地震調査研究推進本部による長期評価との比較(基図は,地震調査研究推進本部との報告より引用)