(1)断層の分布と性状
殿田断層は、「近畿の活断層(2000)」によれば、瑞穂町役場の南方付近から東に伸び、日吉町殿田付近を経て、日吉町旧世木林地区南東までの約20km連続している。その中で、断層の走向が日吉町殿田付近を境に変化しており、これより西ではほぼ東西方向、東側では北西−南東方向となっている。断層による変位は殿田地区より東側で明瞭であり、この区間では低位段丘にまで変位が及んでいる。一方、殿田地区より西側では基盤山地中に見られる断層変位地形は明瞭で、殿田地区から丹波町役場東方付近まで、左横ずれを示す河川の屈曲が連続しているが、それ以降の堆積物への変位としては、高位段丘に最大でも約2mの縦ずれ変位が確認できる程度である。