三峠断層全体の長さは約30kmであるが、比較的新しい活動の証拠が残っているのは、断層中央部の約8kmの区間である。
2) 平均変位速度
瑞穂町質美にある高位段丘面を下刻した谷が約40m変位しており、この谷が高位段丘離水(約16万年前)後に形成されたと仮定すれば、平均変位速度は0.25m/1000年である。
3) 最新活動時期
高位段丘の離水以降活動していることは明らかであるが、具体的な活動示す証拠は確認できなかった。
4) 活動間隔
最新の活動時期が確認されていないことから、活動間隔を推定するには至らなかった。
5) 想定される地震の規模と変位量
断層の長さから、表5−1に示した松田(1975)の経験式を用いて地震の規模を推定すると、断層全体(約30km)が活動した場合は、マグニチュードが7.3、断層変位量は約2.4mとなる。一方、比較的新しい活動が見られる中央部の約8kmのみが活動すると仮定した場合には、マグニチュードが6.3、断層変位量は約0.6mとなる。
表5−1 松田(1975)による経験式