(1)八栄東地区における調査結果から

(1) トレンチ調査における活動履歴について

八栄東地区におけるトレンチ調査により、39,800−46,200年前以降の堆積物が断層運動に伴う変位や変形を受けていないため、39,800−46,200年前以降に断層運動が発生していない可能性が高いと考えられる。また、最新の活動と活動履歴については、それ以前の堆積物が存在していないため、確認できなかった。

(2) 断層がトレンチ外を通過する可能性について

今回の八栄東地区におけるトレンチ調査では、土地利用の制限により断層が通過する可能がある北端部までトレンチを掘削することができなかった。八栄東地区では、トレンチの東西両側に基盤である丹波層群の露頭が確認できることから、断層はこの露頭の間を通過していると考えられる(図4−1)。本トレンチから北側に位置する露頭までは約10mであり、もしこの間を断層が通過している場合には、東側の山地内に断層運動に伴う変状が現れている可能性が高いが、今回の調査では確認できなかった。

 トレンチ西側に掘削した試掘孔により、断層がトレンチの南側を通過する可能性は否定されたため(試掘孔西側に基盤岩の露頭があるため)、殿田断層がトレンチの北側を通過する可能性がわずかに残されているが、その可能性は低いと考えられる。

 

図4−1 八栄東地区におけるトレンチ位置と断層通過位置との関係