3−3−1 質美地区
当地区では段丘面上(H面)に東西方向の凹地が形成されている。この段丘の東側に位置する谷部では過去にトレンチ調査が実施されており、基盤岩中に破砕帯が報告されている(吉岡ほか,1999、図3−13、図3−15参照)。また凹地の南側の林道沿いには、段丘相当層と基盤岩が逆断層で接する断層露頭が認められている(植村,1988)。当地区では、これらの既往調査結果や、周辺の変位地形と考えられる地形状況との関係を明らかにするため、詳細な地形図を作成した。また段丘面上に生じている凹地の両側でピット調査を実施し、段丘面を構成している堆積物の確認と、凹地付近および、その両側の堆積物を比較して断層による変位があるかどうかを確認した(図3−66)。また、調査地点付近で詳細な踏査を行い、付近の地形・地質状況を把握した(図3−67)。図3−66 質美地区調査位置図
図3−67 質美地区 周辺状況図