調査の結果、凹地付近とその両側では、表層部の土壌(斜面堆積物)の下位に、林道沿いに露出している段丘相当層と同質と見られる礫層が分布していた。これのことから、凹地を形成している平坦面は、林道沿いに露出している礫層と同じ堆積物によって形成された段丘面であることが確認できた(図3−72)。
各ピットで礫層が露出する深度は凹地付近が一番深く、北側と南側で浅くなっている。凹地付近と南側では礫層の深度に0.9m程度と比較的大きな差があり、断層がこの付近を通過している可能性も考えられるが、この程度違い(水平距離10mに対して、垂直変位量0.9m)は、侵食によって形成されたとも考えられるため、段丘面上における詳細な断層通過位置を特定することは、出来なかった。
図3−68 質美地区ピット調査結果(W−N地点)
図3−69 質美地区ピット調査結果(W−C地点)
図3−70 質美地区ピット調査結果(W−S地点)
図3−71 質美地区ピット調査結果(E−S地点)
図3−72 質美ピット結果