本調査地域周辺で1923年以降に発生したM4.0以上の地震と、気象庁で大学等の地震観測データも併せて処理するようになった1997年10月以降に発生したM1.0以上の地震分布を図3−16に示す。調査地周辺では大阪府北部から京都府南部にかけて地震が多く発生している。これらの地震は、京都西山断層帯に含まれている亀岡断層や神吉・越畑断層といった特定の活断層沿いではなく、丹波山地や亀岡盆地付近で広域的に発生している。さらに、三峠断層付近でも規模の小さな地震が発生しているが、これらの地震は三峠断層の中部から東部にかけて多く発生している。京都府中部では、1923年以降M5.0以上の地震が6回発生している。1968年8月18日に三峠断層付近で発生したM5.6の地震は、通称「和知地震」とも呼ばれており、舞鶴市で震度4を観測した(図3−17)。また、本震の直後にM5.2の余震が発生するなど、活発な余震活動があった。この地震により綾部市では、住家の半壊が1箇所、一部破損が1箇所発生し、和知町周辺でも落石・道路の亀裂などの小被害が発生した(京都府資料「昭和43年中の災害記録」および、宇佐見(1996)「新編 日本被害地震総覧」)。なお、この地震の本震と余震は、三峠断層の中央部付近に集中している(図3−18)。さらに、三峠断層の東方延長部では、2001年8月25日にM5.4の地震が発生し、京都府中部の広い範囲で、震度4が観測された(図3−19、図3−20)。
図3−16 調査地周辺における地震活動
図3−17 1968年8月18日の地震(和知地震)による震度分布(気象庁提供資料)(×印は震央位置)
図3−18 1968年8月〜12月の地震活動(気象庁提供資料)
図3−19 2001年8月25日の地震による震度分布(気象庁提供資料)(×印は震央位置)
図3−20 2001年8月〜12月の地震活動(気象庁提供資料)