(3)ボーリング調査

ボーリング調査は、地中の地質状況を明らかにすることを目的として実施した。調査は殿田断層の八栄東地区(日吉町)と曽根地区(丹波町)で実施した。八栄東地区では、トレンチ調査を計画している範囲で、断層の詳細な通過位置を推定するとともに堆積物の変化を確認した。曽根地区では、群列して実施することで断層による堆積物のずれを確認し、断層の変位年代と活動形態を推定した。

実施したボーリング調査のうち、曽根地区のTO−5地点では、基盤深度までの掘削を見込んで、ハイドロリックフィード方式のボーリングマシンを使用した。その他の地点では、移動の利便性を考慮して、自走式のボーリングマシン(ジオ・プローブ)を用いて掘削をおこなった。

掘削は、柱状試料から試料採取をおこなえる径としてすべての調査地点で

・掘削孔径 φ86mm

とした。さらに、試料採取率を向上させるため、未固結堆積物に対しては打ち込みにより掘削・試料採取を行い、全箇所でコア採取率90%以上を確保した(巻末資料:ボーリングコア写真参照)。

調査に使用したハイドロリックフィード方式のボーリングマシンの標準的な形状を図2−6に、ジオ・プローブによる掘削状況を写真2−2に示す。なお、各地点での調査数量を表2−7に示す。

表2−7 ボーリング調査数量表

図2−6 ハイドロリックフィード方式ボーリングマシンの概略図

写真2−2 ジオ・プローブによる掘削状況