(3)断層による変位や変形構造

CMP350〜400付近にF1断層およびその撓曲帯が,CMP460〜500付近にF2断層およびその撓曲帯が分布する(図4−1−2)。なお,河原林測線で確認されたF3断層は馬路測線では確認できなかった。馬路測線付近ではF3断層はさらに東側に分布すると考えられる。

a) F1断層

F1断層は東側隆起の低〜高角度逆断層で,基盤岩上面に約55mの変位を与え,堆積層には撓曲が認められる。基盤岩と堆積層の境界の断層部分では低〜中角度断層として現れるが,堆積層中では高角度になる。F1断層は基盤岩と堆積層の境界では変位のある断層として現れ,堆積層中では断層もしくは撓曲による変形帯として現れる。堆積層中ではB〜D反射面が断層変位もしくは撓曲しているが,それ以浅では反射面が不明瞭であることもあり変位を受けているか受けていないか判断できない。

b) F2断層

F2断層は東側隆起の低〜中角度逆断層で,基盤岩上面に15m程度変位を与え,堆積層中のB〜D反射面には明瞭な撓曲構造が見られる。B反射面以浅では反射面が不明瞭であることもあり,どの深度まで変形を受けているのか不明である。河原林測線のF2断層とは大きく湾曲しないとつながらないことから,両者は同じものかどうか疑わしい。故に,平面図では両者をつないで図示していない。