(7)P7ピット(L1面,L=1.85m)

P7ピットは千歳町毘沙門のL1面で掘削した。掘削方法は深度0.00〜0.85mまでは人力で掘削し,深度0.85〜1.85mの1m区間をパーカッション式採土器で採取した。

a) 層相

P7ピットの地質は深度0.00〜0.20mが耕土,深度0.20〜1.15mが礫混じりシルトおよび礫混じり砂からなる崖錐堆積層,深度1.15〜1.28mは腐植質シルトからなる旧表土,深度1.28〜1.85mは礫混じりシルトおよび礫混じり砂からなるL1面構成層である。(図3−4−13

b) 火山灰分析

P7ピットでは深度0.95m以深で10〜20cm毎に試料を採取し,火山灰分析を実施した(図3−4−13)。火山ガラスの含有量は全体に200粒子中に10〜40粒子と多いが,明瞭なピークなどはみられない。

P7ピットでは火山ガラスの屈折率も考慮すると全深度にわたりAT火山灰とK−Ah火山灰が混在していることから,約7,300年前の鬼界アカホヤ火山灰(K−Ah)以降の堆積物である考えられる。