(5)P5ピット(fp2面,L=1.25m)

P5ピットは馬路町のfp2面で掘削した。掘削方法は人力による掘削で,掘削深度は1.25mである。

a) 層相

P5ピットの地質は深度0.00〜0.10は耕土,深度0.10〜0.80mは礫混じりシルトおよび極細粒砂,深度0.80〜1.25mは礫混じり砂からなる。耕土を除く深度0.10m以深はfp2面構成層と考えられる。(図3−4−11

b) 火山灰分析

深度0.20m以深で10cm毎に試料を採取し,火山灰分析を実施した(図3−4−11)。P5ピットでは,全体にAT火山灰とK−Ah火山灰が混在するが,低発泡〜無発泡タイプの火山ガラスに着目すると深度0.7mにピークがみられ,その屈折率は1.500〜1.503を示す。このような特徴を有する火山灰のうち,K−Ah火山灰より上位で近畿地方に降灰したものとして,Kg火山灰が挙げられる。

明確な識別は現段階では困難であるが,P5ピットの深度0.7mは約3,100年前の天城カワゴ平火山灰(Kg)の降灰層準である可能性がある。