プレフィルタとして16〜120Hzのバンドパスフィルタを適用し、信号帯域外ノイズの低減を行った。次に、探鉱機や受震器の周波数特性等に起因する位相ズレの補償を行い、次ステップにて適用するデコンボリューション処理のため、ウェーブレットを最小位相に変換するフィルタを設計し、適用した。
さらに、震源からの地震波の伝播によって波面が広がることによる振幅の減衰(幾何減衰等)を補償するため、振幅回復を行った。振幅回復は、オフセット距離(発震点と受震点との間の距離)と振幅の時間変化を変数とする減衰カーブを統計的に算出し、減衰カーブの逆数を入力トレースに乗ずることにより行った。また、ゲート幅150msecで平均振幅の時間変化を求め、時間の指数関数で表されるゲイン関数を入力トレースに乗じる方法も適宜併用した。