馬路町千歳車塚古墳付近では桂川による河岸段丘であるＬ１面とそれを埋積する閉塞低地（ｃｌ）が分布する。Ｌ１面は北北西−南南東方向に帯状に分布し，非常に緩やかに下流側（南方）に傾斜する。

Ｌ１面を横断する方向で見れば（東西断面），Ｌ１面は分布の方向と同方向の背斜構造をなし，背斜軸の東側では山地側に傾動（東側に逆傾斜）する。背斜軸の西側は西方に傾斜するものの，大部分は浸食され湾曲した段丘崖を形成しているため，背斜軸の西側の部分が撓曲崖であるのか純粋に浸食によるものなのかは明らかではない。

ｂ） 馬路町付近

馬路町付近では桂川による河岸段丘であるＬ２−２面（馬路）が北北西−南南東方向の帯状に分布する。Ｌ２−２面（馬路）の東方にはＬ２−２面（馬路）を埋積する閉塞低地（ｃｌ）が分布し，Ｌ２−２面（馬路）の西方にはＬ２−２面（馬路）を浸食して氾濫平野２面（ｆｐ２面）が分布する。Ｌ２−２面（馬路）は非常に緩やかに下流側（南方）に傾斜する。

Ｌ２−２面（馬路）には低断層崖や撓曲崖は認められないが，Ｌ２−２面（馬路）を横断する方向に見れば（東西断面），Ｌ２−２面（馬路）は緩やかに山地側（東側）に逆傾斜しており断層運動による地形面の傾動の可能性がある。