(3)伏在断層(F1断層)と盆地内の亀岡断層との関係
保津町から北に延びる盆地内の亀岡断層は、国分寺跡南南東側の低位段丘面上でN60゜W方向に延びる低断層崖として現れる。国分寺跡南側では、西に緩く傾く撓曲帯となって、方向を北に変えると推定されている。しかし、北に曲がらず、N60゜W方向で、直線状に延びればF1断層の位置に延びる。規模の大きなF1断層の連続性を考慮すると、断層の存在が確かな低断層崖の北西延長と推定することもが可能である。両者を繋ぐと、東西方向の河原林測線とF1断層のトレースとは斜交する。断面に現れた見かけの撓曲帯の幅を、真の幅に計算すると67m程度となり、深度断面で表現され見かけ幅の約半分程度となる。一方、F1断層の連続性に関して東郷委員は、「盆地南側の曽我谷川沿いを南北方向に走る活断層(南条断層、西落ち:近畿の活断層、2000)(5)に連続する可能性もある」と指摘された。
既往重力探査結果(図3−1−14,図3−1−18)や岡田・東郷(2000)(6)を参考にすると、F1断層が盆地内の亀岡断層に繋がる可能性は大きい。