F1断層はCMP350〜420付近に現れる。基盤岩上面に明瞭な変位を与え、被覆する堆積物を大きく撓曲(変位・変形)させている。撓曲帯(断層帯)の幅は見かけ上、約150mに達する。基盤岩上面を基準とすると、その変位(撓曲)量は160mとなる。下盤側には厚い堆積層が、上盤側には活動的なバルジ(tectonic bulge:ふくらみ)が配列し、本断層は東側隆起の高角度東傾斜の逆断層である。断層で撓曲を示す堆積物の変位量は下位の堆積物ほど大きく、明瞭な累積性が認められる。
(2)F2断層帯
F2断層帯はCMP700付近現れる。基盤岩上面に変位を与え、東側が隆起する複数の断層群である。F2断層帯の一部は、その上位に被覆する堆積物にも軽微な変形を与えていると判断される。延長の地表付近の少し西方に、「盆地内の亀岡断層」が位置することから分岐断層の可能性がある。本断層はF1断層の後背部分(back−tilting)の沈降部に形成された高角度正断層(Anti−thetic faults)の可能性やF1断層と同じ高角度逆断層の可能性があるが運動のセンス等詳しいことは分からないが,本調査では,高角度逆断層と解釈した.基盤岩上面を基準とすると、F2断層帯中の最大変位量は数10mと見積もられる。断層変位の累積性は不明瞭である。F1断層に比べ著しく変位量が小さいことや累積性が明瞭でないことから最近活動し始めた断層の可能性を否定できない。
(3)F3断層帯
F3断層はCMP1000付近以東に現れる。反射面の形状から複数の東側隆起で、中角度の逆断層(衝上断層)と推定される。断層角度はF1断層と異なる。その分布位置から「山麓の亀岡断層」に相当するものと解釈できる。変位量、累積性等は反射面が複雑で分からない。
各反射面を基準とした変位量は表に示している。