(4)主要使用機器

測定に使用する主な使用機器を表3−4−3に示すと共に、以下に個々の機器の特徴を記す。

表3−4−3 主要使用機器一覧

(1) 震源

P波反射法地震探査の震源として油圧インパクターを使用した。油圧インパクターは、ガス圧で加速されたピストンロッドがベースプレートを打撃することにより発震を行う重錘落下型震源である。油圧インパクターは、この重錘落下型装置を車載することにより移動性を高め、探査能率の向上を図ったものである。最大200kgの重錘を高さ約3mから落下させた場合に相当する発震能力をもつ。特徴として、

@浅層探査に必要な高周波成分に富んだ震源波形

Aリバウンドを抑えることにより単純な震源波形

C移動が容易で探査速度が大きい等が挙げられる。図3−4−6に油圧インパクターの外形を示す。

図3−4−6 油圧インパクターの外形

(2) 受震器

「3.4.2(C) 受震機材(受震器、アンプボックス、ケーブル等)の設置」で述べたように、地震計6個が直列に結線され(グルーピングされ)、ひとつのアナログ信号を出力するものを使用した。

(3) 探鉱機

有線デジタルテレメトリ型の探鉱機で、アナログ増幅、A/D変換、垂直重合(スタック)、相互相関処理、ノイズ除去などの処理を受震器近傍に設置したアンプボックス(RSU)内で行い、処理後の波形記録を観測本部内の探鉱機本体にデジタル転送する。なお、アンプボックス(RSU)1台は、最寄りの4受震器で観測した波形記録の処理を行う。

遠隔処理のため、非常に大きな受震点数(チャンネル数)の場合にも、受震器と探鉱機を結ぶケーブルは1本でよい。このことは、非テレメトリ型探鉱機の場合に必要なアナログケーブルを何本も平行に張ることを不要とし、電磁ノイズの影響を受けにくいものとしている。また、探鉱機は、アンプボックス(RSU)を管理する機能を有し、受震器やアンプボックスの接続状態、バッテリー残量などをリアルタイムで監視できるほか、波形処理機能も有しており、これを利用することにより収録記録の高度な品質管理を行える。