金峰山火山岩類 (麻生田) :0.04 m/103年
(独鈷山) :0.01 m/103年
Aso−3・4 間堆積物 (熊本城上面):0.11〜0.15 m/103 年(下面 0.11〜0.15 m/103年)
Aso−4 火砕流堆積物(麻生田上面):0.17 m/103年(下面 0.35 m/103年)
(熊本城上面):0.03 m 以上/103 年(下面 0.15 m/103年)
(独鈷山上面):0.07 m/103 年(下面 0.15 m/103年)
託麻砂礫層(上南部町) :0.06 m/103 年
保田窪砂礫層(済済黌高校) :0.1〜0.13 m/103年
褐色ローム(麻生田) :0.05 m/103年
崖錐堆積物 :0.35 m/103年
有明粘土層(独鈷山、A 帯上面) :0.34 m/103年(下面 0.49 m/103年)
有明粘土層(独鈷山、アカホヤ) :0.17 m/103年
有明粘土層(独鈷山、C 帯上面) :0.14 m/103年
島原湾の完新世堆積物 :0.5 m/103年
沖積層(見性禅寺) :0.05〜0.08 m/104年
図3−5−1 から、立田山断層に関しては、下記のようにいうことができる。
(1) 金峰山火山岩類(約 120万年前)の変位量は麻生田地区で 52.1m、独鈷山地区で13.7mであり、その平均変位速度は 0.01〜0.04 m/103 年で、活動度はCである。
(2) 熊本城地区の Aso−3・4間堆積物(12〜9 万年)も Aso−4火砕流堆積物(9万年) も変位量は 13.3mで、その平均変位速度は 0.11〜0.15 m/103年で、活動度 Bである。 両堆積物の変位量には有意の差がないので、12〜9万年の 3万年間は断層活動はなかった。
(3) Aso−4火砕流堆積物の変位量は熊本城地区では 2.4〜13.3mで、平均変位速度は0.03〜0.15 m/103年となり、活動度B である。独鈷山地区の変位量は6.2〜13.7mで、その平均変位速度は 0.07〜0.15 m/103年で、活動度 Bである。麻生田地区の変位量は 15.5〜31.2mで、平均変位速度は 0.17〜0.35 m/103年である。
(4) 保田窪砂礫層では変位量約 5mで、平均変速度は 0.1〜0.13 m/103年となり、活動度Bである。
(5) 有明粘土層 A帯の下面(年代は 8,090 年前)では 4.0 m の変位量が、A帯の上面(6,700 年前)で 2.3 m の変位量が、C 帯の上面(5,700 年前)で 0.77mの変位量があり、それぞれの平均変位速度は 0.49、0.34、0.14 m/103年となり、活動度 Bである。
(6) したがって、最近約 10万年間の平均変位速度は 0.1〜0.15m/103年であり、活動度Bである。それ以前の約 100万年間はそれに比して、活動度は約 1桁小さかった。
(7) このような活動歴は高度差を垂直変位量とみなした場合のことであり、より正確な活動歴を知るためには、今後この点の検討が必要である。