3−5−1 位置・形態

立田山断層は熊本市街地北東部の楠五丁目から立田山北西縁を経て、立田山の西麓を南下し、熊本電気鉄道黒髪町駅付近の南で南西に方向を変え、京町台地の磐根橋付近から熊本城および県営藤崎台球場の北端をかすめ、花岡山・万日山の北麓を通過後、独鈷山・城山・御坊山の北側を通過し、熊本市小島南方の白川河川敷に延びる。その長さは約 14.3 km に達する(図3−1−6−1図3−1−6−2図3−1−6−3図3−1−6−4図3−1−6−5図3−1−6−6)。南西延長については、沖積層に覆われるため未解明な状況にある。

その他に、活断層の可能性の高い断層として、京町台地に 2 条の F−1、F−2 断層が、白川左岸に F−3 断層が推定される(図3−1−6−1図3−1−6−2図3−1−6−3図3−1−6−4図3−1−6−5図3−1−6−6)。

また、立田山断層南西延長上の海域では、音波探査により完新世の堆積物を切る複数の断層が認められた(図3−2−15)。これらの断層の変位については累積性(最大累積量 5 m)が認められ、いずれも正断層であった。

地表地質調査とボーリング調査から、断層の型は北西側低下の高角度の正断層と考えられる。水平変位成分をともなうかどうかは不明である。