地質断面図を、図3−3−4、図3−3−5、図3−3−6に示す。
1) 独鈷山地区(図3−3−4)
・ 金峰山火山岩類最上部の分布標高は、南側から北側(BD−1→BD−4) にかけて約 10〜 15 m 低下している。
・ Aso−4 火砕流堆積物の上面の分布標高は、南側から北側にかけて BD−1 から BD−3へはわずかに上昇し、BD−3 より北東側では次第に低下する。BD−4 では BD−3 より約 5.8 m 深くなっている。
・ 有明粘土層の下部粘土層、中部砂層、上部粘土層の各々の上面の標高分布には、ほとど凹凸がみられない。下部粘土層の層厚は BD−5 で最も薄く、その南と北で厚くなっている。
・ 有明粘土層(腐植土層)の層厚は、平均 0.4 m 程度である。BD−3 でやや薄く、BD−5と BD−2 においてやや厚い。上面の分布標高は BD−3 より北側でわずかに低下する。
・ 目視により確認されたアカホヤ火山灰(Ah)の分布標高は − 1 m 前後である。BD−3 においてやや浅く分布する(− 0.47〜0.23 m)。
2) 熊本城地区(図3−3−5)
・ BK−1 では、標高 −21.11 m 以深において Aso−2 火砕流堆積物(スコリア凝灰岩)が分布する。BK−2 においては確認されていない。
・ Aso−3 火砕流堆積物上面の標高は、BK−1 が BK−2 に比べて約 13 m 低下している。また、層厚は BK−1 が 9.4 m、BK−2 が 22.8 m 以上である。
・ Aso−3・4 間堆積物上面の分布標高は BK−1 が約 13 m 低く、層厚は 0.5 m 薄い。
・ Aso−4 火砕流堆積物の層厚は、BK−1 が BK−2 に比べて約 11 m 厚い。
・ BK−2 の表層付近は人口改変がなされており、BK−1 のAso−4 火砕流堆積物の上位に分布する鳥栖オレンジ軽石流、褐色ローム、黒ボク、アカホヤ火山灰(Kh)は BK−2においては確認されていない。
3) 麻生田地区(図3−3−6)
・ 金峰山火山岩類の上面標高は、北側(BA−3)が南側(BA−2)に比べて約 51 m 低下して いる。
・ Aso−3 火砕流堆積物の上面の標高は、BA−3 が BA−2 に比べて約 31 m 低下している。その層厚は BA−2 が 1.4 m、BA−3が 20.9 mである。
・ Aso−4 火砕流堆積物の上面の標高は、BA−3 が BA−2 に比べて約 16 m低下している。また、層厚は BA−2 が 16.9 m、BA−3 が約 31 mである。
・ Aso−4 火砕流堆積物の上位は、BA−2 では礫混じりの火山灰質土からなる。BA−3 では、託麻砂礫層およびロームからなり、ローム中に姶良火山灰(ATn)、アカホヤ火山灰層(Ah)を挟む。