(3)清水町万石地域

清水町万谷の南の露頭付近の地質図を、図3−1−13 に示す。ここでは、金峰山火山岩類、Aso−3 火砕流堆積物および旧期と新期の崖錐堆積物が分布している。図3−1−13では金峰山火山岩類同士が接する東西方向の断層(走向・傾斜 N 70°E・60°N や N 40°E・60°N)や南北方向(走向・傾斜 N−S・60°E、N 15°E・70°W)の断層が認められる。南北方向の断層のうち走向・傾斜 N−S・60°E は東西方向の断層と同様に金峰山火山岩類が接しているのに対し、走向・傾斜 N 15°E・70°W の断層は金峰山火山岩類と Aso−3 火砕流堆積物とが接しており、立田山断層本体の可能性がある。

したがって、この付近の断層の活動時期は Aso−3 火砕流堆積物の堆積以降である。

なお、立田山西麓の万石川の入り口の断層露頭は、渡辺(1987)により報告されたもので、凝灰質砂岩、凝灰岩、砂岩層を切る断層である。その走向・傾斜は N 20〜40°E・85°W で、落差は 10〜35 cm 程度である。断層位置からみて、この断層は立田山断層の派生断層と推定される。