(2)熊本城・京町地域

熊本城付近のリニアメントは、藤崎台球場の北側から藤崎台童園付近を通過する。これに対応した断層本体ではないものの派生断層と推定される小断層群が観察された。その位置は熊本城西側の藤崎台球場西方の露頭と熊本城東側の家庭裁判所西方の露頭で、いづれも Aso−4 火砕流堆積物よりなる(図3−1−10図3−1−11)。これらの露頭で観察される小断層の走向・傾斜は、N 70°E・70〜90°N でリニアメントとほぼ同一である。断層の性状は破砕の幅はほとんどなく、あっても数 mm のオーダーである。また、Aso−4 火砕流堆積物が塊状を示すため、確実な鉛直変位量は追跡できない。断層面の形状からは、水平変位が卓越する可能性も考えられるものの、定量的な評価の可能な露頭は発見できなかった。図3−1−11 に地質平面図を示す。