地形調査は空中写真判読により段丘面などの地形面、断層変位に起因すると考えられるリニアメント、その他の特異地形の抽出・検討を目的として行うとともに、現地調査結果と合わせ、断層の延長・形状・変動の概要を把握した。
地質調査は広域概査と地質精査からなり、広域概査は地形・地質の概要を把握し、地質精査では断層分布と第四紀堆積物との関係等に注目し、次段階の調査(ボーリング調査、トレンチ調査)可能地点の選定を目的として実施した。また、これらの調査結果は、立田山断層のストリップマップおよび重要な地質露頭のスケッチとしてとりまとめた。
調査は主として 4〜8 月を中心に行ったが、必要な補足調査は随時行った。
2) 調査範囲
調査範囲は写真判読・概査・精査の範囲をそれぞれ図3−1−1 に示した。
(1) 写真判読及び地質概査
写真判読および地質概査は、立田山断層の延長方向に横長の地域であり、長軸方向(南 南西〜北北東)に約 16 km、短軸方向(北北西〜南南東)に約 6 kmの面積 96 km2 の範囲であ る。西端は島原湾に臨み、東端は九州自動車道に至る地域である。
(2) 地質精査
地質精査は、地形調査を含めて西方から次の 4 地域−@ 独鈷山・万日山地域、A 熊 本城・京町台地地域、B 清水町万石地域、C 清水町岩倉・麻生田地域− であり、それ ぞれ断層を挟んで、200〜500 m 程度の範囲で実施した。
3) 調査諸元
地形・地質調査に使用した地形図は既往地形図を接合し、作業用基図を新たに編纂した。使用した既往地形図の諸元を示す(表3−1−1−1、表3−1−1−2)。判読に用いた空中写真については表3−1−2に示す。地形・地質調査の担当者名を一覧表に整理した(表3−1−3)。
・地形判読、地質概査
表3−1−1−1 使用した地形図一覧
・地質精査
表3−1−1−2 使用した地形図一覧
・空中写真
表3−1−2判読に使用した空中写真一覧
表3−1−3 調査担当者一覧