この地形・地質調査は平成8年4月20日から平成8年11月30日までに断続的に行った。各調査の目的は以下の通りである。
@ 地形調査は、空中判読および現地踏査によりリニアメント及び地形面の区分を行うものである。地質踏査結果と合わせ断層の延長、形状、変動の概要が把握される。調査結果は、詳細調査の位置の検討資料となる。
A 地質調査は、広域の地質概査と地質精査からなる。
広域調査は、空中写真判読されたリニアメントや基準面、既往文献調査で認められた断層とその周辺の地質踏査を行い、地質分布、層序や地質構造を把握する。また、詳細調査の実施可能な地区を検討する。
地質精査は、地質概査の結果を検討し、断層分布と第四紀堆積物(特に完新統[沖積層])との関係等に注目し、地質図を作成し、トレンチの可能な適地を選定する。
2) 調査範囲
地形調査範囲は、写真判読、概査、精査の範囲は図2−1−1−1、図2−1−1−2に示す。
@ 地形調査の空中写真判読は、布田川断層帯(木山断層を含む)に沿った幅2kmで、北側は高遊原台地中央部までとし、東側が長陽村立野付近とし、西側は益城町小池(九州自動車道付近)までの範囲で実施した。
調査範囲は36km2である。
A 地質概査は地形判読範囲と同じである。
B 地質調査は、地質概査の結果で選定されたトレンチ適地付近を1/5,000地形図を使用し1地区当たり1km2程度で行った。精査実施ヶ所は益城町田中地区、同町平田地区および布田地区である。
3) 調査諸元
調査に使用した地形図は以下の通りである。
所管機関 縮尺 作成年度 備考
益城町 1/5,000 平成5年 基図は1/2,500
西原村 1/5,000 平成3年 航測図
調査担当者は以下の通りである。
空中写真判読・・・・・・宮脇理一郎、宮脇明子
地質踏査(概査)・・・・・宮脇理一郎、百瀬貢、大堀健司、平林康弘
(詳細)・・・・・中川雅之、田中竹延、大堀健司
空中写真判読には以下の空中写真を使用した。
撮影/所管機関 縮尺 撮影年
米(G.H.Q.) 1/40,000 1956
国土地理院 1/40,000 1964
〃 1/40,000 1970
〃 1/20,000 1967